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Posted by ミリタリーブログ at

2011年10月01日

兵卒失格 ~僕が自衛隊を辞めた理由~ (10/15)

ババロア頭の君に告ぐ   - A brain made of the bavarois -

精勤賞とか、賞状とか、洗剤とか、ぜんぜんいりません。
ハラふくれないもんは、いりません。 目に見える結果と報酬が欲しいです。
勝者スタートであろうが、敗者スタートであろうが
持てるもの、持たざるものの「差」がある社会が、健全な社会です。

人より努力して、人より良い結果を出して、人より多くもらうこと。
ひとより多くなにかを得たいという欲望。それがひとを輝かせる。

なんでやりがいを感じないか。だって、「差」が無い。
頑張ったってなにか報われるわけじゃない。積極的になれるわけがない。

「みんなで仲良くやりましょ」じゃ、頑張る必要が無い。
だから余計なこと考えるヒマができて、うつ病が多発するんです。
大学生のサークルか? まったく・・・。 兵士が聞いて呆れるわ。

報酬に差があったら、職場は勝手に活気付く。
レースの落伍者にならないようにみんな必死で、ウツになっているヒマなんかない。
少しでもスキを見せたらレースに負けるからです。去る敗者の姿も、また美しい。
だから、ワールドカップは燃えるんでしょう?

結局給料なのかよ、カネなのかよっていわれると、半分あってる、半分違う。
お金が欲しくないといえば、それはウソになりますが、
でもホントに欲しいのは、おカネが生み出す、「活気」です。
おカネは、「活気を生み出す」という目的を果たすための「手段」に過ぎない。
欲しいのは、「差がある」という環境と、その「差」で一喜一憂する「活気」です。

「声小せぇよ! 最近の若いヤツぁ元気ねぇよ!」って言ってる、
中隊であぐらかいてるアンタ。 そう、アンタ。
アンタ、「活気」がねぇよ。オーラ出てねぇよ。
そりゃそーだ。 アンタ、一生懸命生きてねぇもんな。
アタマ使わねぇと知らねぇウチに、脳みそババロアになっちまうぜ。
気ぃつけな。もう なってっかもな。  


Posted by Eiki Hata at 04:49

2011年10月03日

兵卒失格 ~僕が自衛隊を辞めた理由~ (11/15)

ヒトのカチ   - Length & rank -

精勤賞もボーナス判定も、待っていれば順番で回ってくる。
別に優秀じゃなくっても、待ってれば階級も上がる。
万年2士もいなければ、定年まで3曹もいない。

大切なのは、勤務態度でも、職務成果でも、
向上心でも、個々の能力でもない、メシの数。
長くいるほうが、エライ。
なにをなしたかよりも、ただそこに、長くいるだけの、ババロア頭のほうが、エライ。

メシの数がすべてだというのならば、日本の国王は、カマトおばあちゃんで、
人類の王は、世界最高齢のヒマラヤかどっかの爺さんで、
・・・・・・んなワケない。

日本で一番エライのは総理大臣で、
世界の進む方向を決めてるのは合衆国大統領で、
世界の興味は、世界最高齢の爺さんの毎日より、
ビルゲイツの作るパソコンや、アラブ人が掘り出してる油のほうにある。

メシの数でどうしようもない差を埋めるには、
星の数で見返してやるしかないんだけど、
星の数を決めるのは、
なにを為したか、じゃなくて、どれだけ教育でいい点数を取ったか。

出世と、出世のために犠牲にしなければならないものをハカリに掛けたら、
出世のほうが傾いてしまうようなババロア頭たちが守りを固めてる組織が、
組織として健全であるはずがない。
勤続年数と教育の成績以外に、平等に評価できる基準が無い。
たしかにそうかもしれませんが、だからそれでいいという道理も無い。
けど、新しい評価方法を模索する気も無い。
だってそもそも、評価する側のババロア頭たちには、やる気が無い。
おわってる。  


Posted by Eiki Hata at 03:55

2011年10月05日

兵卒失格 ~僕が自衛隊を辞めた理由~ (12/15)

素晴らしき この共産社会   - What a wonderful world -

脱柵者が出たら、規律を強化する。
自殺者が出たら、指導を強化する。
なぜそうなったのか考えないから、根本的解決にも、再発防止にも、なりゃしない。

なぜウツになるのか、問題を起こすのか。ココロがヒマだからです。
だから規律を強化する前に、
カウンセラーに払っている金があるならそのぶんで個人の給料に差をつけて、
みんなを、「生きること」に、必死にさせればいい。
確実に、ウツになっているどころじゃなくなります。

それでレースに負けたら、潔く去ればいいじゃないですか。
人間は、精子や人間以外の野生の動物と違って、負けても命まではなくならない。
負けても、リングの外でリベンジのチャンスを待てばいい。

誰も、怠けているわけじゃないかもしれない。 みんな、頑張ってるのかもしれない。
それでも、ひとより出来ないひとはいる。 差をつければ敗者も落伍者も出る。
でもそれを「可哀想」なんていったら、世の中、「可哀想」の放置プレイだらけだ。

ひとより結果を出せる人間が、ひとより多くの報酬をもらうのが、世の道理。
くやしかったら頑張ればいい。 負けないように努力すればいい。

その努力を、向上心と呼ぶ。
誰だって負けたくない。 だから頑張れる。
ひとより頑張らなくちゃ、脱落してしまう。 だからみんな必死になる。
 だから世界は、美しい。

競争の無い世界の住人は、醜くもないけど美しくもない。
仲良しゴッコに、興味は無い。
自分と自分の大切なものを守るために、他人を蹴落とし合ってる人たちのほうが、
醜いけど美しくて、生き物としてはずっと正直なように思えて、
僕は、好きです。  


Posted by Eiki Hata at 02:01

2011年10月07日

兵卒失格 ~僕が自衛隊を辞めた理由~ (13/15)

柵の中の世界   - I’m bored with it all. -

労働の対価としてカネを稼ぐのではなく、
カネそのものを右から左に転がしてカネを稼ぐ人たち。

おカネは「架空のヒットポイント」に過ぎないということに気付かずに、
そのポイントの増減に本気で一喜一憂する人たち。

「架空のヒットポイント」がゼロやマイナスになったことを理由に、
自ら命を絶ってしまう人たち。

そんな人たちがウヨウヨいるシャバに嫌気が差して、自衛隊に入った。
架空のヒットポイントなんかじゃない、リアルなイノチの駆け引きが、
あそこにはあるはずだと思っていた。

違った。

厳格に見えた柵の中には、
外よりも、危機意識も競争意識も薄くて、
平和で閉鎖的で共産的で保守的で、
理不尽で風通しが悪くて向上心が無くて、
ナンセンスで制限や無駄が多くて、
でも、長くいればいるほど居心地が良くなる、
公務員の桃源郷が広がっていた。

なにに負けたのか、いまいち良く分からないけど、
僕は確実に、なにかを知って心が折れ、なにかに負けた。

柵の中には、シャバとは違う形態の社会があった。

今のシャバの社会形態は最悪だけど、
これまでに試みられてきた、他のあらゆる社会形態に比べれば、
まだマシだということを、
自衛隊で体感させられるとは、夢にも思わなかった。  


Posted by Eiki Hata at 05:53

2011年10月11日

兵卒失格 ~僕が自衛隊を辞めた理由~ (14/15)

ここにいる資格   - The howling of the loser -

自衛隊に入るまで、考えもしなかった。
自衛隊に入らなくちゃ、わからなかった。

自衛隊の存在意義って、なんだ?
自衛官の使命って、なんだ?

僕が自衛隊にいる意味って、なんなんだ?

それがわからなくなった以上、
僕には、ここにいる意味がないし、
ここにいる資格も無いのです。  


Posted by Eiki Hata at 06:36

2011年10月14日

兵卒失格 ~僕が自衛隊を辞めた理由~ (15/15)

隊員は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、
一致団結、厳正な規律を保持し、
常に徳操を養い、人格を尊重し、心身をきたえ、技能をみがき、
強い責任感をもつて専心その職務の遂行にあたり、
事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に努め、
もつて国民の負託にこたえることを期するものとする。

僕は確か、そう習ったけど。

そして、そのときはひどく感動して、
心から、心から、そうあろうと思ったけど。

ぼくは本当に、
自衛官として自分がなにをすべきなのか、わかっていたのだろうか。
組織の一員として守るべきことを、ちゃんと守れていただろうか。
常に、正しいと信じる主義や意見を持ち、実行できていただろうか。
同期、先輩、後輩・・・ 他人のことを考えて行動できていただろうか。
経験を整理し、失敗から学び、成長できていたのだろうか。
責任の意味を、履き違えてはいなかっただろうか。


そして、一番わからないのは、一番知りたいのは、


―――― ぼくは本当に、国のために死ねるのか?

ということ。


その本当の答えは、ここにいちゃみつからない気がするから、
ちょっと、探しに行ってきます。

ご健闘をお祈りします。
またどこかで、お会いできるといいですね。
では。

2009年 8月 21日  


Posted by Eiki Hata at 05:50