2011年09月29日

兵卒失格 ~僕が自衛隊を辞めた理由~ (09/15)

訓練のための訓練   - Tough & stoic -

みんな気付いているけれど、口にしない。それはタブーだから。
それを肯定してしまったら、アイデンティティーが崩壊してしまう。だから口にしない。
この努力は無駄ではないと自分で自分に言い聞かせ、納得している。

でもみんなどこかで、あきらめている。ホントの戦争なんかしない、できない。
その証拠に、検閲を「本番」っていう。 「本番」は、戦争でしょ? 違いますか?
それは本当に仕方ないことなんだけど、でもそんな世界に一生いるのは御免です。

僕はいたくない。別に僕じゃなくてもいい。僕はそんなにお人好しじゃない。
僕はそこまで自分を犠牲にして、組織に、公に、社会に、日本に、尽くす気は無い。
本当に申し訳ないとは思うけれど、僕は、みんなより少しだけ、自分が可愛い。

他国の軍隊やテロリストを仮想敵にしてるフリして、
ホントは補助官のチェック項目や、上官の評価や、自国民の視線と闘っている。
そんな自衛官が、ホンモノの軍人や戦闘員に、なれるわけが無い。

「優秀な兵士」は、「優秀な自衛官」にはなれない。
戦争に勝つためじゃなく、「優良」の評価を得るために、
必死こいて携帯エンピで金魚の墓みたいな穴掘ってるのが、
「優秀な自衛官」だからです。

自衛官全員を敵に回すことを恐れず言えば、
訓練だけで一生が終わってしまったら、
たとえどれだけ真剣に訓練していたって、
たとえどれだけ死ぬ気で辛い訓練を乗り越えたって、
結果だけを見たらそれは結局自己満足に過ぎない。

いつ現れるかわからない性交の相手を一生懸命想像して、
ひたすら自慰に明け暮れてそのまま死んでくのは嫌だ。
僕はそんなに、タフでもストイックでもない。

「戦闘に勝利すること」より、「訓練で良い評価を得ること」のほうが大事。
それが、「自衛隊クオリティ」。





Posted by Eiki Hata at 03:39